目標は高く、気は長く:英語学習の極意

よく「英語ができる」という言い方をしますが、英会話は逆上がりのように「できる/できない」で分けられるものではありません。仮にネイティブスピーカーレベルの英語(自分が進みたい分野の平均的なネイティブスピーカーとしましょう)が最高点だとするならば、そこへ辿り着くまでにはいくつもの段階があります。英語学習ではそれぞれの段階でその先の目標を立てることも大事でしょう。

英語学習のLearning curve

勉強やスポーツ、仕事でも、何かを学ぶときに能力が時間とともに比例して上がることはまずないでしょう。一般的にLearning curveといえば下図のような曲線を思い浮かべるのではないでしょうか。

Learning curve, general

しかし英語学習の場合、私もそうでしたが、多くの人は下に示すような曲線を描きます。

Learning Curve, English

この英会話上達の「ヒョコッ」は何回か来ますが、その都度「停滞期」は長くなっていきます。

初めて通った英会話教室で、ある日「あれ、今日はなんかしゃべってる」と思った時のことは今でも覚えています。それが最初の「ヒョコッ」でした。始めのうちは闇雲に勉強していても何度か「ヒョコッ」を体験します。しかしやがて停滞期に入ると、何か目標を立てて取り組まないと次の段階になかなか進めなくなることがあります。

私には今でも忘れられない「ヒョコッ」体験があります。

英会話上達のための目標設定

前々回書きましたが、英語が第二公用語として使われる国に2年間住んで帰ってきた私の英語レベルは、周りの人達が期待する「完璧な英語」とはほど遠いものでした。自分は帰国子女でもないし、こんなもんだろうと思いながら、そのレベルを維持するためにも英会話クラスに通い始めました。英語の能力は使わないとどんどん「劣化」しますからね。

そのクラスでは月に一度先生が評価とアドバイスを書いて渡してくれるのですが、ある時もらったアドバイスにはこんな感じのことが書いてありました。

正確さと発音はいい。次はスピードだ。ネイティブスピーカーのナチュラルスピードはもう少し速い。

当時の自分は確かに英語の発音と表現を意識しながら話していたので、話す速度はゆっくりでした。けど「現状維持」が目的でしたので、このアドバイスを読んで「え、上達しろっての?」と思いました。けど、せっかくなのでその日から英語のナチュラルスピードを心がけながら話すようにしました。新しい目標ですね。

そうしたら、ある日、「ヒョコッ」が来ました。その時の光景は今でも覚えています、ナチュラルスピードに近い速さで英語を話していた光景を。

あの時新しい目標を設定していなかったら、その後の上達はなかったのではと今でも思います。実際、自分の英語レベルに満足してそれ以上上達しない人達を何人も見てきました。

目標達成までの道のり

英語を上達させるために心に留めなくてはならないことは、目標達成には時間がかかるということです。

前回、努力の方向性が間違っていると英語は上達しないという話をしました。しかし、英語上達の停滞期に入ると、努力していることが間違っているのか時間がかかっているだけなのか分からなくなることがあります。時には自分に対して辛抱強くなって努力を続けることも必要になります。

私自身、なかなか英語が上達しないことで焦燥感に駆られ、藁にもすがる思いで通信販売の怪しい英会話商品に手を出したことがあります。しかし宣伝のような効果はありませんでした。その後上達を感じられたのは怪しい商品のことなど忘れかけた頃だったと思います。世の中ウマイ話などないと分かったことが収穫だったでしょうか。

ではどのような目標を立てて、どのように努力すればよいか。そこに一つの答えはありません。これからこのブログでいくつもの選択肢を紹介していきますので、そこから自分に合った目標と学習方法を見つけてもらえれば幸いです。

最後に目標設定のためのお話をしたいと思います。

サッカー選手はゴールめがけてシュートを打たない

以前新聞か雑誌の記事で読んだことがあるのですが、プロのサッカー選手がシュートを打つ時、ゴールは狙わないそうです。目の前にあるゴールのそのさらに先に小さなゴールがあると思い、その小さなゴールを狙ってシュートを打つとボールは目の前のゴールに入るそうです。

ある地点に到達するには、その先を目指すということですね。英語も同じで、あるレベルに達したければ、それより高いところに目標を置くことです。ただし、自分には辛抱強く。目標は高く、気は長く。

まぁ精神論はこれくらいにして、次回から英語上達のためのテクニックについて話しましょう。

「英語を学ぶ心構え」をもっと読む
他のカテゴリも見る

コメントを残す