人の目を見て話しますか?英会話は人と人のコミュニケーション

以前「英語の才能」について書きましたが、英語の才能がない人って、いるのでしょうか。
一部の人が不快に思うかもしれないことを承知で言わせていただきますと、過去に何人か「この人の英語はダメだな」と思う人に会ってきました。誤解しないでいただきたいのは、そういう人達には「英語の才能がない」のではなく、そもそもコミュニケーション能力に疑問があるということです。

極端な例を挙げると、日本語で話していても何を言っているかよく分からないことがある若干名の人に会ったことがあります。それが性格に起因するものなのか、あるいは軽度の障害のようなものがあるのかも分かりませんが、少なくとも「英語の才能」があるとかないとかいう問題ではないでしょう。

では、英会話の能力を上げるには何が必要なのでしょうか。

コミュニケーションとしての英会話

このブログでは幾度となく目標を立てるという話をしてきました。私の場合、英会話を習い始めた頃は「英語でコトバのキャッチボールをする」ということを当面の目標としていました。英語の上達に悩んでいる人は、この難しさをよく知っているのではないでしょうか。

この目標を念頭に置きながら、私が過去に会ってきた、英語がなかなか上達しない人の例を見ながらコミュニケーションとしての英会話について考えていきましょう。彼等にはいくつかの共通項があります。

人の話を聞かない

いますよね、そういう人。人の話を聞かない人達には、少なくとも2種類の人がいるのではないでしょうか。

  1. 自分が言いたいことを言い放って終わる
  2. 自分が何を言うかを常に考えている

前者の人達が英会話の能力を上達させるのは難しいでしょう。英会話を習い始めると、何かを口に出したものの言いたいことが伝えられないということを誰もが経験します。何かを言って伝わらなければ別の言葉で言い換える。これを繰り返して伝わる英語を身につけていきます。しかし、自分が言いたいことを言い放って終わってしまって、相手がそれを理解していないことに気付かなければ、自分の英会話能力を上達させる機会を逃してしまいます。

後者の場合、自分の言ったことを相手が理解するということは一応大事ですので、会話を通して自分の英会話能力を上達させることは可能でしょう。けど、それでコトバのキャッチボールができますか?

見て聞き話そう。お力を授けて下さる。
見て聞き話す。英会話の基本

会話を通して英語を学ぶという目的が利己的であったとしても構わないと個人的には考えています。しかし自分が言いたいことを言うだけでは会話自体が利己的になり、英会話がコミュニケーションの手段であるという本来の趣旨を逸脱しかねません。お互いを尊重してコトバのキャッチボールを続けることが活きた英語を身につける自然な方法だと私は考えています。

とは言え、せっかく人の話を聞く気持ちがあっても、意外なことで英会話上達の機会を逃している人が少なくありません。人の表情を読めない人です。

人の表情が読めない。

ある研究によると、コミュニケーションにおいて言語が果たす役割は7%とのことです。言語以外では声のトーンや口調などの聴覚情報と、表情や手振りといった視覚情報が大きな役割を果たします。言い換えると、相手の言語以外の表現も読み取れれば自分の英会話能力を上げる機会が掴めるかもしれないのに、それを逃してしまう残念な人達がいます。
あなたは人の目を見て話していますか。

例えばテレビを見ていて気になることが時々あります。日本人が取材のために外国の家庭や職場を訪れる時、ほぼすべての人が開口一番こう言います。

Nice to meet you.

こう言われて歓迎の表情を見せない人が時々います。何故か。タネ明かしをすると、会ってまず最初に「Nice to meet you」と言うのは日本人独特の表現で、それを知らないネイティブスピーカーは面食らうことがあります。これは和製英語と言ってもよいでしょう。この表現は

初めまして。 = Nice to meet you.

という日本人に共通の誤った認識に起因すると思われますが、さすがに名前すらも知らない人に「会えてよかった」という人はいません。「Nice to meet you.」と言った後に名前を言って軽く自己紹介するとやっと顔がほころんで「Nice to meet you.」と言い返す人がいるのはこのためです。しかしここで表情が読めないと、せっかくの学ぶチャンスを逃してしまうかもしれません

英会話で大事なのは、やはり人の話を聞くということ

上記のように人の表情を読んで「何か変?」と気付くのは第一段階で、間違えを直すにはもう一段階必要です。「何が変?」と聞ければよいのですが、それができない状況も多々あります。そんな時に必要なのは、やはり人の話を聞いて、そこから学ぶということです。実は、せっかくネイティブスピーカーと会話をしていても、自分が何を言えばいいか考え過ぎるゆえに、人の話に傾聴できない人も少なくないようです。

次回はこの点を踏まえ、人との会話を通して自分の英語表現を改善するために心がけることについてお話します。

「活きた英語を身につけるために」をもっと読む
他のカテゴリも見る

コメントを残す